COLUMN #44
中古住宅を購入する際に注意するポイント
14,Jan,2019
中古物件, 契約

中古物件を購入する際に注意することがあります。
これは住宅に限らず、店舗や事務所用途の物件も全てに当てはまります。
しかもその注意ポイントは不動産業者には通常教えてもらえない部分です。
中古物件の売買の際には必ず仲介業者が重要事項説明書を作成して購入者に説明することになっていますが、法的に必要な重要事項説明の項目から省かれているため説明を受けないことがほとんどです。
それは購入する建物の申請や検査、増築時の履歴です。
もちろん新築時には確認申請を提出していますが、その後の完了時に検査を受けていなかったり、増築をしているが確認申請が出されていなかったりという場合があります。
私が経験したものでは、20年程度前に建築された住宅を増築しようとした際に、確認申請は出されているもの検査を受けていない状況が発覚したために、増築の申請をするために苦労しました。
これも私が苦労しただけで済むのならいいのですが、届出先の市町村によっては申請が不可能な場合があります。申請が不可能であれば増築することもできません。
また、古いビルを購入して用途変更をしようとしたのですが、検査を受けていないために用途変更をしようとすることができなかったということがありました。結局用途変更ができなければ使いもになりません。
はじめの住宅については中古を購入したわけではないのですが、ビルの購入については当初から購入者は不動産の仲介業者に購入後用途変更を考えている旨を伝えて購入したにもかかわらず、購入後調べると用途変更ができなかったということでした。
当然、仲介業者が購入者に伝えなかったことが問題なのですが、実際に仲介業者が建築基準法についてわからないため起きたことです。
実はこの様な揉め事は日常茶飯事で起きています。
これを中古住宅の購入に当てはめると、中古住宅を購入したのに検査を受けていなかったり、違法に増築されているために改修や増築ができない状況になる可能性があります。
でもそんな住宅は少ないと思いますが、実は意外と多いのです。
それは以前に カーポートは違法建築? で書いたようにカーポートが建てられている住宅は違法増築の可能性があります。
もちろん、増築や申請の必要な改修を行えないことを承知の上で購入することには問題はありませんが、それを知らずに購入すると東筑ができなかったりと後で困ることになります。
そのため、中古物件を購入する前には必ず建物の申請の履歴を確認すべきです。
私が中古住宅の検査を行う場合には必ずこの点も確認しています。
建物の劣化状況や耐震、雨漏りについても重要ですが、建物の申請上の状態についてもよく調べて購入すべきだと思います。