構造・耐震

structure

COLUMN #03

4号特例の現実

12,Jan,2018

構造・耐震

前回書いた中で、木造住宅の確認申請や検査で構造に関するチェックがなぜされていないかというと「4号特例」という法律上特例的に審査の省略がされているのです。

本来は審査が必要なはずなのに4号特例に当てはまる建物については審査が省略されます。これに当てはまるのは2階建て以下、約60坪以下の住宅です。

なぜこのような特例を設けて審査を省略しているかというと確認申請の審査を行っている側の負担が大きくなるため、審査を簡略化して負担を軽減して、審査側の人件費を抑制するためだと言われています。

また、この大前提は「建築士が設計した建築物」ということになっています。これは建築士が設計した建築物なので問題がないはずなので審査も省いて問題ないよね、ということです。もちろんきちんとした設計士が責任を持って設計していれば問題はないと思います。

このような法制度の問題から法的に問題のある住宅の建築が可能になるのです。

この4号特例については業界内で廃止すべきだという声がよくあがります。私も同じように思います。

そこで国土交通省は平成18年に4号特例の廃止の検討についての文書が出されています。しかし最後に廃止の時期についてこのような一文があります。

4号特例の見直しについては、今後、大工・工務店を含めた設計者や審査担当者向けに講習会を実施することとしており、一定の周知期間をおいて、設計者等が見直し内容について十分に習熟した後に施行する予定。

参照元  <http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/kensetu.files/18kaisei/4goutokurei.pdf>

設計者等が見直しに内容について十分習熟した後に施行する予定。と書いていますが現状習熟していないということのようです、このように国土交通省も現状わかっているのにも関わらず、そのままこの特例の運用を続けようとしています。

本来は建築士が設計しているから特例的に審査を省略しているはずが、これでは矛盾しているのではないでしょうか。

実際ハウスメーカーや工務店によっては特例で審査が省略されているから、壁量計算やN値計算を行わなくていいと考えている会社もあります。そうではなく、審査が省略されているだけで壁量計算、N値計算や図面は必要なものです。

実際、壁量計算やN値計算、構造図面を工務店に要求するとプレカット業者(柱、梁等の構造材をカットする工場)が作成した資料が出てきます。かなりの割合でこのような状態です。

これは設計(プラン)した担当者が全く必要な計算を行わずに下請けのプレカット業者に計算させているのです。しかも、大抵そのような場合、壁量は基準法ギリギリの数値となっています。

これが4号特例による住宅業界の現実です。